高血圧を放置するとどうなる?
高血圧を何の処置もしないでそのまま放置していると、いずれは何らかの自覚症状が出ますが、その時点ですでに生死に関わる脳や心臓などの病気が進行していたという場合がしばしばです。高血圧がサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれているのはこのためです。そして時には自覚症状がないまま、突然脳卒中や心筋梗塞などの合併症を発症することもあるのです。
したがって、健康診断で血圧が高いといわれて再検査が必要なのにそのまま放置していると、当初は自覚症状がないため合併症が進行してしまい、直前まで元気でも高血圧が原因の脳出血により突然死という例が多く見られます。ですからサイレントキラー(沈黙の殺人者)という呼称は決して誇張されたものではありません。高血圧症と診断されたらたとえ自覚症状がなくても専門医に診てもらうことが大切です。
現在日本での高血圧患者は推定で4,000万人以上と言われています。最近の日本人の死亡原因の1位はガン、2位が心臓病、3位は脳卒中です。ガンはともかく心臓病と脳卒中は血管に障害が起こる病気で、高血圧がもっとも重要な危険因子なのです。心臓病と脳卒中を合わせると死亡者数は全体の1/3になりガンを抜いて一位になります。つまり、高血圧を放置しておくと日本人の一番多い死因の原因になるのです。